切削は、チームスポーツ!

OPEN MINDユーザーレポート・HAIMER:削り出しパンサー

HAIMER と OPEN MIND は、極めて複雑な切削加工でもパワフルかつダイナミックに攻略できることを実証しました。HAIMER は、ドイツホッケーリーグのアウグスブルクパンサーの、プレミアムパートナー兼サポーターです。工具ホルダーメーカーとして、一流のシステムサプライヤーである HAIMER はこの度、自社の工具およびホルダーの性能を実証すべく、切削加工でパンサーの像を削り出しました。プログラミングについてはhyperMILL® ソフトウェアを使用し、OPEN MINDのCAM 担当者が行いました。

DEL (ドイツホッケーリーグ) に所属するホッケーチーム・アウグスブルクパンサーは、ドイツでは最も名高い「パンサー」です。アウグスブルクからわずか 30 分のイゲンハウゼンに本社がある Haimer GmbH は、このチームの大ファンでありスポンサーです。同社はファミリー企業で、高精度の金属切削用製品の開発・製造・販売のマーケットリーダーです。今回、HAIMER アプリケーションセンターでは、アルミニウムからパンサーを削り出すという独創的なアイデアを思いつきました。「パンサー」という難しい題材をこなすことで、HAIMER の工具ホルダーと超硬合金エンドミルを使用すれば、ホッケーに匹敵するスピード、パワー、ダイナミクスで5 軸切削加工を実現できることを示せると考えたのです。

HAIMER アプリケーションセンター長のコンスタンチン・ブロドウスキー氏は、さらに興味深い類似点を見出しています。「ホッケーはスピードと力だけのスポーツではありません。各プレイヤーが優れた技術スキルを持ち、それを持ち寄って完璧なチームを作る必要があります。HAIMER は、自社の最先端の工具とホルダーに、業界最高峰の CAD/CAM ソフトウェアを組み合わせて、完璧な相乗効果を生むことに成功しました。やり方はホッケーと同じです。」

加工とプログラミングのチームワーク

パンサー製作プロジェクトの「チームメイト」を選定するにあたり、HAIMER は、ドイツのヴェスリングに拠点を置き、長きに渡りパートナーであるCAD/CAM メーカーの OPEN MIND に打診しました。同社の hyperMILL® CAM システムは 5 軸加工分野ではトップを走っています。完全な自由曲面形状のプログラミングともなれば、OPEN MIND なら間違いありません。同社は、一風変わった作品のために、プロジェクトに参加しプログラミングを行いませんか、という誘いに迷わず「イエス」と答えました。グローバルエンジニアリングサービス管理者クリスティアン・ノイナーは次のように述べています。「このような題材は、当社のソフトウェアの多用途性と柔軟性を試す絶好の機会です。パンサー製作の事例は、多くの面で当社にマッチしていると思いました。hyperMILL® には、CAM ユーザーが加工機の能力を最大限に引き出し、目的を達成できる多くの機能が備わっています。」

そうしてOPEN MIND アプリケーションエンジニアのヤコブ・ノルドマンは、独イゲンハウゼンでキャンプを立ち上げ、そこで数週間、HAIMER アプリケーションエンジニア のダニエル・スウォボダ氏と協力して、完璧なプログラミング&加工インフラを構築しました。加工機については、HAIMER アプリケーションセンターにある、アルミニウム加工に際しての正確性と表面仕上げに優れた5軸マシニングセンタ、DMG MORI HSC70 linearを選びました。

あらゆる課題に対応する工具ソリューション

パンサーの頭部、特に非常に細かい口と歯の加工が、とりわけ難しいことがわかりました。繊細な尻尾の部分の細長い形状も、振動に非常に弱いため、同様に対応が困難でした。工具の侵入が難しいエリアが随所に存在するため、LANG 社製5軸加工向けクランピングシステムのマクログリップ を用いて、2回の段取りで進める事にしました。
複雑な形状は工具選びにも影響しました。すでに可能な限り短い工具を使用していたものの、それでも 278 mm の工具が必要とされました。そのため、ダニエル・スウォボダ氏は、HAIMER Duo-Lock™ 工具モジュールを荒加工に使用することにしました。このシステムは、非常に安定したインターフェースを介して様々なエクステンションと組み合わされた超硬合金工具ヘッドで構成されます。特に、Duo-Lock™ HAIMER MILL Alu シリーズの、4枚刃のラジアス工具を選択しました。これらのツールは非常にバランスが良く、工具長の再現性に優れています。切れ味の良さに加え、摩耗性と抵抗性のバランスも絶妙です。ダニエル・スウォボダ氏は、「HAIMER パワーシュリンクチャックを使用して、Duo Lock のコーティングされた円筒形のエクステンションをクランプしました。これにより、一般的な工具ホルダーを使用した場合よりも、クランプの剛性が格段に増し、振動を減らすことができました。一方、優れた切削深さと高い切削除去率も達成することができました」と述べています。

仕上げ加工には、HAIMER MILL Alu シリーズの超硬合金エンドミルのフルラジアスバージョンを使用しました。これは、スムーズさと優れた面品位のために専用設計されたものです。プロジェクト関係者は、非常に狭いエリアの加工という条件を考慮して、超薄型かつ低振動のHAIMER パワーミニシュリンクホルダーをクランプしました。
OPEN MIND の ヤコブ・ノルドマンが次のように付け加えています。「このプロジェクトでとても助かったのが、HAIMER 社のホルダーおよび工具はすべて DXF 形式および STP 形式でも提供されているということでした。モデルは HAIMER 社のホームページから簡単にダウンロードできます。hyperMILL® Tool Builder でマウスを 3 回クリックすれば、そのデータベースに追加できます。その後ただちにプログラミングとシミュレーションを開始できます。

役に立つヒント:CAMのためのCADとシミュレーション

見る人を魅了するパンサー像の製作には、慎重で卓越したプログラミングが必要でした。最初に直面した問題は、パンサーが STLモデルとして提示されたことです。hyperMILL® 担当 ヤコブ・ノルドマン はこう言います。「サーフェイスモデルへの変換は時間がかかりすぎる可能性が高いため、STLそのものを対象にして加工することにしました。見た目上にファセットが現れないよう、1 mm 単位で切削しました。」

口や尻尾の部分、さらにはシワがある関節部分などの特に細かい個所では、STLに対してhyperMILL®上で追加サーフェイスを作成しました。」ノルドマンが使用したのは、プログラマーのすべてのニーズを満たせるよう OPEN MIND によって設計された、「CAMのためCAD」である hyperCAD®-Sです。
スペースが限られており工具をさまざまな方向に傾ける必要があったため、加工エリアの正確な調整と、つなぎ目が見えないようなシームレスな工具移動に重点を置きました。ノルドマンは「このために『ツールパスの編集』コマンドを使用した」と明かします。「これにより、ツールパス全体を作成してから、それを複数のセクションに分け、異なる複数の工具を定義しなおして、さまざまな傾斜動作を指定することができました。これにより時間を大幅に短縮できました。」

パンサーの製作において同じように欠かせなかったのが、仮想の機械の動きが実際の動きを完全に再現し、確実な干渉検知を実現し、プロセスの安全性を保証する NC シミュレーションである hyperMILL® VIRTUAL Machining Center です。
自立する最初のパンサーを完成させるのに、約 3 週間かかりました。今後の展示会の HAIMER と OPEN MIND のブースで像をご覧いただけます。もちろん、アウグスブルクパンサーにも像が贈られ、スタジアムの入り口とドレッシングルームの通路に置かれています。これで選手のモチベーションもこれまで以上に上がることでしょう!
EMO Milano 2021 の HAIMER と OPEN MIND の EMO ブースで、パンサーを展示しております。HAIMER は4ホール小間番号C20、OPEN MIND は7ホール小間番号 G12に出展しております。

hyperMILL®についてもっと詳しく知りたくありませんか?

OPEN MINDまでお気軽にお問い合わせください。 Info.JP@delete-me.openmind-tech.co.jp