航空宇宙分野には複雑なワーク形状、加工が難しい素材、タイトなスケジュールがつきまとっており、技術的な側面から見れば、特に過酷な業界の一つと言えます。構造部品、エンジン部品、その他関連部品の各メーカーにとって、全ての加工工程に渡る完璧なプログラミングは、その厳しい環境下で競争力を維持するための非常に重要な要件の一つです。
アルミ製構造部品、エンジン部品、駆動・操縦システム用部品など、どのような製品が対象であっても、hyperMILL® CAM ソフトウェアは航空宇宙産業が抱える課題を簡単に解決できます。hyperMILL® は、この業界における典型的なタスク向けに最適化された優れた作業プロセスや理想的な加工手法を提供する総合ソリューションです。OPEN MIND は真のイノベーターとして、完璧な品質の実現とプログラミングおよび加工時間の短縮を両立させる数々の機能を開発してきました。hyperMILL® の HPC (ハイパフォーマンス加工)、HSC (ハイスピード加工)、5 軸ソリューションを適用することによって、複雑なワーク形状、自由曲面、深いキャビディなどが対象でも、必要最低限の時間で確実にプログラミングできます。チタンやインコネル、その他の耐熱合金製の加工が難しい鋳造品や鍛造品であっても、すでに多くの実績がある HSC (ハイスピード加工) と HPC (ハイパフォーマンス加工) を適用すれば、工具にも負担がかからず効率的に加工できます。
hyperMILL® は、あらゆる分野の加工に対応できるよう、多様なハイパフォーマンス加工手法を提供しています。そのパッケージの名称がすべてを物語っています。hyperMILL® MAXX Machining パフォーマンス・パッケージは、荒加工、仕上げ加工、穴あけ加工において最大限の効率をもたらす手法を提供しています。例えば、薄壁構造の部品に対して荒加工を行う場合に非常に高い素材除去率を達成できます。hyperMILL® は、インペラー、ブリスク、タービンブレードなどの航空宇宙用部品を効率的に加工するためにも、特別に開発した専用アプリケーションを提供しています。
航空宇宙産業では、5 軸加工機や複合加工機を利用することが関連製品メーカーにおけるデファクトスタンダードとなっています。これらの工作機械が持つ能力をフルに引き出すためには、強力で幅広い用途をカバーできる CAM ソリューションが必要です。hyperMILL® は、共通のユーザーインターフェースで切削と旋削のためのパワフルな加工手法を自在に組み合わせて利用できるので、効率的なプログラミングと加工を行うことができます。5 軸・複合加工を用いることで、必要な段取り工数が大幅に減り、その作業時間が短縮されるだけでなく、同時に精度の向上も見込めます。
OPEN MIND の”フィーチャー&マクロ” は、NC プログラミングの自動化の基礎となっています。フィーチャー機能により、穴、溝、ポケットなどの標準的な形状要素とそれらの加工にあたって必要となる各種情報が自動的に認識されます。取得した情報は、手動または自動で NC プログラミング作業において再利用されます。なお自動プログラミングにあたっては、予め登録・保存しておいた加工工程 (マクロ) も併せて用いられます。”フィーチャー&マクロ”は、プログラミングに要する時間を大幅に短縮するだけでなく、この類の標準化は操作ミスによるトラブルが起こらないようにする効果もあります。また必要に応じて、プロジェクトのプログラミングを全自動で実行することも可能です。
航空宇宙産業向けの部品製造では、「安全第一」が鉄則です。hyperMILL® CAM ソフトウェアにはパワフルな NC シミュレーション機能が用意されており、実加工時における全ての安全性を確認できます。干渉は事前に検出され、これを回避します。このメリットは明らかです。プロセス信頼性が向上し、段取り時間も早まります。
hyperMILL® VIRTUAL Machining で NC コードベースのシミュレーション機能を利用すると、現実での加工状況をバーチャル環境上で確認できます。そこには PLC や工作機械に付随する様々な要素が含まれます。様々な情報が事前にキャプチャーされ、実際の工作機械の動きをシミュレーションで確認できます。ユーザーインターフェースは、使い慣れた工作機械の制御装置をベースとしているので、簡単に操作できます。このソリューションは、シミュレーションに短時間で慣れるための機能も提供しています。hyperMILL® VIRTUAL Machining は、NC コードベースの多数のオプション機能を提供しています。その範囲はシミュレーションだけでなく、加工プロセスの解析や最適化にも及びます。CAM ソフトウェアと工作機械の融合は、Industry 4.0 のコンセプトを実現するための重要な前提条件です。
製品やその製造プロセスに関連するあらゆるデータを PLM 環境で集約管理したいと考えている航空宇宙部品メーカーのために hyperMILL® は主要な PLM システム (Teamcenter、Windchill、SAP PLM など) に対応するインターフェースを提供しています。これにより、この CAM システムでは、すべての CAD、CAM、NC プロセスを統合するだけでなく、関係する製造分野との連携を図ることができます。
多くのプロジェクトを成功に導く中で、OPEN MIND は保有する様々なノウハウの有効性を実証し、航空宇宙産業向け部品のプログラミングと加工を効率的に行う方法を具体的に示してきました。hyperMILL® は、特に複雑な部品のプログラミングを前例がないほど簡単にこなすことができる CAM システムとして、航空業界で地位を確立しています。インペラー、ブリスク、高硬度ニッケル合金製タービンブレード、エンジンハウジング、構造部材なども簡単に加工できます。
この動画では、タービンブレードの加工事例をご紹介します。工作機械は GROB 社製 G550 で、プログラミングに CAM ソフトウェア hyperMILL® を使用しています。
詳細: タービンブレード・パッケージ
この動画では、GROB 社、EMUGE-FRANKEN 社、hyperMILL® が提唱する最新テクノロジーによる 5 軸加工の新たな可能性をご紹介します。昨今、スピードがこれまで以上に重要視されています。OPEN MIND が荒加工、仕上げ加工、穴あけ加工向けのハイパフォーマンス・ソリューションである hyperMILL® MAXX Machining パフォーマンス・パッケージを開発した理由は、まさにここにあります。この独自のアプローチにより、加工時間の短縮と高い品質水準を同時に実現できます。
この航空宇宙用アルミ構造部品のプログラミングには、 CAM ソフトウェア hyperMILL®が持つ革新的でパワフルな CAM 加工手法が使用されています。加工に要した時間はたった 2 時間 15 分という、驚異的な短さです。5X タンジェント・プレーン加工、5X ヘリカル穴あけ加工、リンクジョブ技術などのハイパフォーマンス加工手法が実現した加工結果です。
切削素材:アルミニウム
工作機械:GROB 社製 G550
加工時間:2 時間 15 分
ハイパフォーマンス加工を航空宇宙用部品加工に適用した事例。(研究機関 AMRC Sheffield における HEIDENHAIN 社・EMUGE FRANKEN 社 との共催によるワークショップにて)The hyperMILL® MAXX Machining パッケージは、穴あけ加工、荒加工、仕上げ加工の加工時間を劇的に短縮できます。それだけでなく、仕上げ加工においては最高の面品質も得られます。5X ヘリカル穴あけ加工、HPC 荒加工、5X タンジェント・プレーン加工、5X タンジェント加工、および 5X 削り残り部加工やリンクジョブ技術によって、hyperMILL®は高効率加工を実現します。
切削素材:アルミニウム
工作機械:Hermle 社製 C42 (制御装置:HEIDENHAIN 社製)