どのようなモータースポーツであっても、そのレースで勝利するチームは、最高かつ最適な部品を設計・製造することで、さまざまな課題を克服しています。サーキットでは、百分の一秒単位の争いが繰り広げられます。当然ながら、そこにエラーを許す余地はありません。レース同様、それに関連する各種パーツの製造では自由曲面に対して極限の寸法精度や輪郭精度、さらには最高の面品質が求められ、やはりそこにも妥協の余地はありません。
モータースポーツ特有の課題としては使用車両の変更が挙げられ、チームが次のレースでスタートするまでに改良されたシステムを実装できるように、短時間で柔軟な対応を図らなければならいのです。
モータースポーツ関連のパーツは、どれを取ってみても複雑な形状が多く、おのずと大量の素材を削り出さなければなりません。hyperMILL® は、切削対象が難削材であるかどうかに関わらず、最適な荒加工と仕上げ加工を保証する HSC (ハイスピード加工) と HPC (ハイパフォーマンス加工) の各手法を提供しています。これにより、高い素材除去率を維持しつつ、工具と工作機械のどちらにもやさしい加工が実現されます。OPEN MIND 提供の独自の 5 軸 ハイパフォーマンス加工手法を利用すれば、非常に深いキャビティへの荒加工も最短時間で行えるようになり、突き出しを短くした工具を使用しながらも干渉が回避されます。hyperMILL® MAXX Machining のハイパフォーマンス仕上げ加工モジュールでは、バレル工具を併せて使用することにより最大 90% の加工時間短縮が実現されます。それに加えて、パーフェクトな品質の仕上がり面も得られます。
チューブミリング・パッケージ
エンジンの吸/排気筒やポンプおよびコンプレッサーのパイプ吸/排気管の加工に最適なソリューションである5X チューブミリング・パッケージを利用すると、アンダーカット形状部をシンプルなガイドカーブに従って加工できます。確実な干渉チェック/回避機能により、安全な 5 軸加工が保証されます。
“フィーチャー&マクロ“は、CAM の自動化において、プログラマーの日々の作業を軽減するという重要な役割を果たします。hyperMILL® は、穴、ネジ穴、はめあい公差といった形状要素を自動的に認識します。これらの情報は、NC プログラミング時に呼び出して利用できます。加工工程全体を保存するために使われる「マクロ」は、プログラミングの作業量を大幅に削減します。一人のプログラマーの持つ製造ノウハウは「マクロ」としてデータベースに保存され、社内全てのプログラマー達と共有できます。このデータベースを使用することで、類似形状対するプログラミングにも迅速に対応できます。これらの標準化・自動化は、マニュアルでのプログラミング時に起こり得る作業ミスを回避することにもつながります。
モノづくりとモータースポーツにおける共通のキーワードは「スピード」です。モータースポーツではスピードがすべてです。タイトな納期を守り、ジャストインタイムで出荷するためには、高い効率での製造と絶対的なプロセス信頼性が必要です。
hyperMILL® CAM ソフトウェアであれば、干渉チェックが自動的に働くツールパス計算と正確なシミュレーション機能を背景に、いかに複雑な 5 軸加工であっても極めることができます。