hyperMILL とともに匠 (Takumi) は空へ羽ばたく
Takumi Precision Engineering Ltd | Limerick, アイルランド
職人や工匠を意味する日本語から名付けられた Takumi Precision Engineering 社は、20 年以上にわたりアイルランド沿岸部で実績を積み重ね続けています。リムリックを本拠地とする同社は近年、床面積約 4650 平方メートルにも及ぶ工場の増設にあたり、新規の工作機械と CAM ソフトウェアに総額500万ユーロ以上の大規模な設備投資を実施し、アイルランド市場のリーダーとしての地位を一層拡大しています。
Takumi 社は、アイルランドの医療機器、製薬、航空機、精密工学の各セクターにおける著名な企業です。同社が製造する品目は、整形外科用インプラントおよび手術器具、心血管手術補助具、医療用ヤスリ、バルーンカテーテル用金型および投与システム構成部品、そして、航空機産業用アルミニウム製翼部品、ブラケットおよび胴体構造部品、さらには、産業用精密機械加工セクター向けの電子・電気・機械および光学エンジニアリング用部品に及びます。
この数年間で行った投資により、Takumi 社の設備リストには、Tornos、Doosan およびミヤノ製のターニングセンターや、Doosan、Spinner、さらに直近ではマツウラ製の 3 軸および 5 軸マシニングセンターが加わりました。そして、同社の核となる投資の 1 つが、OPEN MIND Technologies の hyperMILL CAM ソフトウェアです。バレル工具の柔軟な活用、 5 軸加工機の急増、そして既設の CAM ソフトウェアが直面していた課題に対応するために導入が推進されました。
「航空宇宙産業では、ほぼすべての部品が左右一対で構成されます。hyperMILLのミラーリング機能は非常に優れており、ボタン一つでそれらの部品のプログラミング時間を半減できています。」
同社 取締役 ゲリー・レノルズ 氏
Takumi 社に起きた変化について、同社取締役のゲリー・レノルズ (Gerry Reynolds) 氏は次のように述べています。「わずか 5 年前まで、当社が取り組んでいた仕事の 90% は医療産業向けであり、残りは航空機関連を含む複数の分野に分散していました。そんな中、航空機市場へより積極的に参入するチャンスがあり、エアバス A220 (旧 ボンバルディア C シリーズ) 関連部品の生産量が、単品~3 ロット程度から 10~15 ロットの量産へとシフトしました。さらに、複雑な航空機部品の生産拡大に対応するため、5 軸加工分野への投資が必要でした。当社はこの 5 年で 13 台の 5 軸加工機を導入しています。」
この投資は確かな成果を上げており、全体の5%しかなかった航空機関連の売上は、5年足らずで約60%にまで増加しました。しかも、これは医療事業を疎かにして成り立っているわけではありません。ゲリー氏は次のように続けます。「当社の事業規模は、航空機関連の増加により過去 3 年間で 2 倍になりましたが、医療セクターは引き続き当社の重要な事業分野のままです。医療用部品は現在も当社の事業の 40% を占めており、生産量が減ったわけではなく航空機関連ほどは伸びていないだけに過ぎません。現在当社の従業員数は 87 人で、月間売上高100万ユーロを目指しています。」
CAM の影響力
「10 年前、私はまだ CAM というものをしっかりと理解しておらず、その積極活用にはどちらかと言えば懐疑的でした。工作機械を稼働させるためには CAM が必要ですが、当時は工作機械側でマニュアルによるプログラミングを行っており、私はそれを『finger CAM』と呼んでいました。その後、より包括的な CAM システムの採用へと至り、最終的には 8 ライセンスを導入しました。ところが、シェフィールド大学・先端製造研究センター (AMRC) を訪問した際、Ceratizit 社製のバレル工具と OPEN MIND の hyperMILL CAM システムを知ったのです。このことが当社におけるプログラミングの流れをがらりと変えました。」
すでに 他社製のCAM ソフトウェアに大きな投資を行っていたため、ゲリー氏は CAM システムの変更が及ぼすあらゆる影響を懸念していました。「5、6 年ほどの間、当社は既設のCAM パッケージに多額の投資を行い、比較的良好な成果を得ていました。しかし、その一方で計算時間が長く、さらにはしばしばフリーズや強制終了も発生していること、そしていくつかの機能面における制約も存在するといった問題を抱えていました。私は hyperMILL MAXX Machining パッケージによるバレル工具の有効活用に強く興味を惹かれました。ただし実際にソフトウェアを使用するのは私自身ではなくチームのメンバーたちですから、彼らにシステム選定の主導権を持たせたいと考えたのです。」
開発中とは言えど..
「チームは hyperMILL についてデモを含めた精査を行い、並行して既設システムを含む複数のCAMベンダーに対し、バレル工具関連機能とツールパスのミラー機能の有無を問い合わせました。hyperMILL が持つこれら2つの機能について、他のベンダーはいずれも、『計画中です』や『開発中です』と回答してきました。そういった状況もあり、市場のさまざまなベンダーから情報収集を行わなければなりませんでしたが、検討を進めるうちに hyperMILL のことがよく分かってきました。hyperMILL は他の CAM デベロッパーよりも、明らかに一歩も二歩も先に進んでいたのです。当社は直ちに hyperMILL への移行を決断しました。hyperMILLを初期導入したのは 今から18 か月前で、現在は6 ライセンス保有しています。従来の CAM システムから段階的に置き換えている最中です。」とゲリー氏は述べています。
hyperMILLのメリット
Takumi 社が hyperMILL に投資した最大の理由は、バレル工具が生産性を大幅に向上させる可能性を見出したことでした。その点について、ゲリー氏は次のように語ります。「hyperMILL MAXX Machiningパッケージとバレル工具を組み合わせることで、ポケットや立ち壁の仕上げ加工やプロファイル加工で使える切り込み量が、それまでの 0.4~0.8mm から 5~10mm へと広がりました。これにより仕上げ工程の加工時間のうち、少なくとも 70% が即座に削減でき、当社のすべての製品においてトータルサイクルタイムが30% 以上短縮されました。」
しかも、メリットはサイクルタイムの削減だけに留まりません。「当社は創業以来、部品の最終仕上げとして大勢の人の手作業による研磨を行ってきました。取引先の面品位に対する期待を確実に超えるようにするためです。そんな中、hyperMILL MAXX Machining を活用することで加工時間の削減と切り込み量の改善が実現された上、面の仕上がり品質も以前よりもずっと良くなっていたのです。」
Takumi 社が OPEN MIND への投資に舵を切ったもうひとつの機能が、ツールパスのミラーリング機能でした。ゲリー氏は続けます。「航空機産業では、ほとんどすべての品目に左右対称のコンポーネントがあるのです。hyperMILL のミラーリング機能は驚くほどの手軽さで、ボタンをクリックするだけで済みます。大半のコンポーネントでプログラミング時間を 50% も削減できています。当社は 8 人のスタッフでプログラミングを行っていますが、hyperMILL のミラーリング機能がこのチームの生産性を効果的に倍増させています。」
より良い総合 CAM システム
hyperMILL で加工現場におけるサイクルタイムを 20%以上 、オフィスでのプログラミングの作業時間を最大で 50% も削減できた一方で、そのメリットにはまだ続きがあります。「hyperMILL は従来の CAM システムに比べ計算処理がずっと高速で、しかも大容量モデルデータを、当社がそれまで見てきたよりもずっと快適に扱えるのです。想定外の強制終了なども起きなくなり、信頼性とともに加工現場へのNCデータの供給スピードが大きく向上しました。さらに、hyperMILL にはユーザーフレンドリーな機能とショートカットが多く備わっており、オペレーターの手間を省けます。その直観的な操作性は、他の CAMには見られないものです。加えて、プログラムと製品のスループットを高めた機能のひとつに hyperMILL CAD があります。hyperMILL と一体化した OPEN MINDオリジナルの CAD システムは非常に優れたプラットフォームであり、当社はもはや Inventor などの CAD パッケージに依存することがなくなっています。hyperMILL 上における CAD と CAM のシームレスな連携によって、シンプルかつ迅速に作業できるようになりました。これもプログラミングチームの負担を減らすのに大きな役割を果たしています。」とゲリー氏は結論付けています。